2022.10.27

“シンコウ”プロジェクト 北海道 vol8. 超大型キャベツ『札幌大球』

  • SHARE
  • Facebookでシェアする
  • XでPostする
  • LINEで送る

“シンコウ”プロジェクト 北海道 vol8. 超大型キャベツ『札幌大球』

「シンコウプロジェクト北海道」とは?

 

広い大地と豊かな自然が生み出す食の宝庫「北海道」。
海産物・農産物・乳製品など多岐に渡る食材が溢れている北海道には、「生産量が僅か」「特定の地域・季節でしか流通していない」北海道民も知らない?知られざる食材がまだまだ存在しています。
そして、その食材の背景には、丹精を込めて育てられている生産者がいます。

 

"シンコウ"プロジェクト 北海道は、そんな北海道のまだまだ知られざる食材を"深耕"し、その食材を通して人と人との"親交"を生み出し、食の魅力で地域の"振興"につなげるべく、生産者の思いを北海道、全国、世界に発信し続けたいという思いから始まった、大丸札幌店、O.tone(あるた出版)、RETRIP(trippiece)、ジェイアール東日本企画、poroco(えんれいしゃ)による地域振興を目的とした合同プロジェクトです。

 

第8回目は、石狩管内の一部で栽培されている『札幌大球』を紹介します。

 

 

超大型キャベツ「札幌大球」とは

 

日増しに気温が下がり「今年の初雪はいつかな…」と思いを巡らせるころスーパーの店頭に山積みされる巨大なキャベツ、それが「札幌大球(さっぽろたいきゅう)」です。

見ての通り、その特徴は大きさ。通常のキャベツが1.5㎏程度なのに対し、8~15㎏もあります。葉数は通常品種と同様の70枚前後、つまり一枚一枚が肉厚なのです。にしん漬けなど北海道ならではの漬物原料として使われています。

 

画像

通常の10倍程度の15㎏ほどまで成長する札幌大球。

 

 

栽培の苦労から一度は幻に

 

札幌大球は明治時代に栽培が始められた、札幌の伝統野菜。北海道のキャベツ栽培は、1871年に七飯開墾場と札幌官園で試作されたのを皮切りに、年月を重ねて広がっていきました。種子の輸入や自家採種、品種改良によってさまざまな品種が生まれる中、大きくて貯蔵性が良い札幌大球が選抜され、土着順化していったとされます。

貯蔵や漬物に適しているため、野菜が不足する冬期間に重宝され、昭和に入ると生産が活発になりました。

しかし、その重さのために作業の負担が大きく、農家の高齢化もあり生産者は減少。2014年の段階で、主産地である石狩市厚田区で3戸、日高門別で2戸、新冠で1戸の農家が生産するに留まり、消滅の危機にありました。

 

画像

手作業での収穫は、大変な重労働

 

画像

収穫を終えた圧巻の眺め

 

 

試験栽培から「応援隊」の発足、復活へ

 

「明治時代から現代に繋がる食文化を途絶えさせてはいけない」という思いから、2014年、JAさっぽろの働きかけで試験的に札幌大球の栽培が札幌市清田区で復活しました。これに呼応して、2015年に消費拡大を目指す「札幌伝統野菜“札幌大球”応援隊」が誕生。食に特化したセールスプロモーションを本業とする「ブレナイ社」が中心となり、行政や大学教授、メーカー、小売り、と業界の枠を越えたメンバーが有志で集まりました。

​ヒアリングを重ねて分かったことは、札幌大球は業務用には使われていないこと。そこで、販路拡大のために漬物の「北彩庵」(北日本フード関連会社)、お好み焼の「風月」にこのプロジェクトへの協力を打診したところ、快諾を得ました。北彩庵では漬物に、風月では期間限定フェアとしてお好み焼きからもんじゃ焼、焼そば、塩キャベツに至るまで、店内で使うキャベツの全てに札幌大球を使うことになったのです。

 

「札幌大球という文化を後世に残すことが、応援隊の大義。家庭で使ってもらうより、ライフスタイルの変化に対応して、外食・中食に活路があると考えました」とブレナイ社の日原康貴さんは話します。 さらに、市民が札幌大球を応援するために「札幌大球オーナー制度」を始めました。一口4,500円の出資で穫れたての札幌大球を丸ごと送ってもらえるコース(応募終了)や、一口4,000円で北彩庵が製造する札幌大球を使ったにしん漬けが初冬に送られるコースがあり、この食文化を支えながら、実際に味わうこともできるシステムです。

 

画像

オーナー向けに開催されるにしん漬け教室は北日本フードが講師を務める大人気企画

 

 

札幌大球のこれから

 

現在では札幌市内の生産者は清田区真栄の2戸。生産量は少ないものの、プロジェクト開始から毎年、風月でのフェアやオーナー制度の返礼品として活用されています。

「主作物のホウレンソウの方が収益性が高いのに作り続けてくれているのは、生産者さんが使命感を持っているから。その思いを受けて、私たちも販路の拡大、とまではいかなくても維持することが使命だと思って取り組みを続けます」と日原さん。

 

一方、2015年から毎年、札幌大球フェアを開催している風月。重いので配送は大変だし、置く場所も取る。まな板には到底乗り切らず、切るのも一苦労…と扱いが大変なのは否めませんが、そこもやはり使命感。同社代表取締役の二神ひかりさんはこう話します。「一度始めたら、続けていくしかない、と。シャキシャキした歯応えや甘みの強さがあり、お客様の評価も上々です。 “今年も大球の季節だから食べに行くか”と思ってもらえるくらいまで認知度を高めたいです。将来的には、付加価値の高い冷凍のお好み焼きとして販売して、道外の方にも知ってほしいですね」。

 

画像

今回ご協力いただいた、風月の二神ひかりさん(左)と、ブレナイ社の日原康貴さん

 

 

札幌大球を食べられるお店

 

画像

 

風月 札幌市内10店舗

 

https://www.fugetsu-sapporo.co.jp/shop/

 

★フェア期間:2022年11月1日(火)~11月中旬予定 ※札幌大球がなくなり次第終了

 

 

札幌大球オーナー募集中!
一口4,000円で、札幌大球を応援しませんか?札幌大球を使ったにしん漬けなどうれしい特典!

 

【内容】

●札幌大球使用「昔なつかしいにしん漬け」200g×3パック

●札幌大球使用「昔なつかしいにしん漬け ゆず味」200g×3パック

●塩少々出たらピタッと止まる!「塩ひとふり」230g×1本

●漬物シーズンに使ってほしい!イチビキ「塩糀」300g×1袋

 

・申込期限:2022年11月14日(月)必着

詳細&申し込みはコチラ

 

 

今回の記事はO.toneスタッフTSが担当しました。

 

「シンコウプロジェクト」メンバーのporoco、O.tone、RETRIPでも発信しているので、チェックしてね。

●porocoの記事はこちら

●O.toneの記事はこちら

●RETRIPの記事はこちら

 

画像

ショップ情報

ショップ名

"シンコウ"プロジェクト北海道

フロア
カテゴリー
その他

RECOMMEND BLOG